2014年12月28日日曜日

芸術の現場から: どいのさん(劇団どくんご)

今年度の「芸術の現場から」第9回(12月17日)では、鹿児島を拠点として全国をツアーしているテント芝居の「劇団どくんご」の演出家・俳優、どいのさんにお話を伺いました。 劇団どくんごは2010年から毎年本学でも公演をしているので(「芸術の現場へ3」の活動の一環として)、本学だけでなく地域にとっても馴染み深い存在になって来ました。今回は劇団の成り立ちや30年を超える活動の経緯などをお聞きしました。
左がどいのさん。(今回は担当教員・武藤が聞き手役です)
劇団どくんごは1983年に、埼玉大学と衛生短期大学の演劇研究会を母胎として旗揚げ。大学生による演劇活動が徐々に盛んになっていく年代です。すぐに学外に飛び出し、サーカス小屋のようなテントを運んで上演するスタイルを始めました。テント芝居といえば「黒テント」(佐藤信)、「紅テント」(唐十郎)などが有名ですが、そうした先輩たちの影響が大きかったそうです。
どくんごの「犬小屋テント劇場」が円形広場に建ったところ
2014年の公演『OUF!』より
屋外で上演する大変さを身をもって体験しながら、大道具・小道具から、共同生活のコツまで、演劇活動に必要なスキルを高めて行ったとのこと。エピソードを聞いているとなかなかキツそうですが、それを乗り越えてまでも演劇をやりたい、という熱をひしひしと感じました。

2014年の公演『OUF!』より
2013年の公演『君の名は』より
今後は海外公演もしてみたい、とおっしゃっていました。

来年は劇団のツアーはお休み。再来年からまた新しい形態でのツアーを考えているそうです。2016年の群馬公演@県女をお楽しみに。

2014年12月22日月曜日

西洋美術史実地研修2

回(1213日)、いよいよ最終回を迎えました。
今度は降雪の恐れがありましたが、この日も幸いお天気に恵まれました。

午前中は、三菱一号館美術館(東京)です。東京駅から歩いて分ほどで出会うレンガ造りのお洒落な建物。展覧会は「ボストン美術館 ミレー展」。

岩波書店のマークにもなっている《種をまく人》は、ミレー(1814-75)の故郷ノルマンディーが舞台になっているそうです。「ノルマンディー展」(東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館)も行きましたね。
赤レンガの建物の前で、ミレー展の集合写真。
事前課題の発表風景。
外は寒いので、向かい側の建物にちょっと避難。
 事前課題では、ミレーや「バルビゾン派」の画家たち、ボストン美術館、三菱一号館について学びました。
 パリ近郊フォンテーヌブローの森のはずれにあるバルビゾン村に移り住んだミレーは、働く農民の姿を描きました。農村の自然と労働をテーマに作品を描いた「バルビゾン派」の画家たちの中には、風景画で有名なコローもいます。
 現在の美術館の建物は復元ですが、オリジナルは明治27年、イギリスからやって来たお雇い外国人の建築家ジョサイア・コンドルによって設計されました。ちなみに東京駅の設計者は、彼が工部大学校(現東京大学工学部)で教鞭をとった際の弟子で、やはりイギリスで修業してきた辰野金吾です。

 午後は、約年の年月を経て今年11月にリニューアルオープンしたばかりの東京都庭園美術館(目黒)へ。ここは、旧朝香宮邸であるアール・デコ建築の建物そのものが見どころです。庭園はまだ整備中とのことで、今回は建物と展覧会を見学。
 アール・デコはフランス語で「装飾美術」の意味で、フランスを中心に1910-30年代に流行した装飾様式です。リズミカルで幾何学的な模様が特徴。
入口付近での集合写真。
アール・デコの館までは、まだ少し歩きます。
事前課題の発表風景。アール・デコや旧朝香宮邸について学びます。
植物がくねったような装飾のアール・ヌーヴォーと比較もしてみました。
発表の最中に幾度か激しい風が吹いて、枯れ葉の大群に襲われました。
アール・デコの館の前で。いざ、中へ。
 一見シンプルな外観をもつ建物を入ると、ルネ・ラリックによる翼を広げる女性像の幻想的なガラスレリーフ扉が迎えてくれました。さあ、音楽を奏でるかのようなアール・デコの装飾に包まれて、お屋敷を探検しましょう。内藤礼「信の感情」展の小さな《ひと》たちにも出会えます。
 ホワイト・キューブの白くて明るい新館にも足を延ばすと、ガラス越しに見た外の景色もすっかり違って目に映りました。皆さんは、どんな風に感じたかな?

 さて、後期の西洋美術史実地研修はこれで終わりです。寒かったり、時には雨も降ったりで気を揉むこともありましたが、病欠者もなく、無事に最後を迎えました。
 展覧会はこれからも興味深いものが続きます。この研修を機会にどんどん展覧会に出かけて、美術作品とじかに語り合う時間が増えるといいですね。

 それでは、どうぞよいお年を!
解散後に訪れた「デ・キリコ」展
(パナソニック汐留ミュージアム)の帰りに。

2014年12月15日月曜日

芸術の現場から~アーツカウンシル東京プログラムオフィサー 玉虫美香子さん

12月10日の芸術の現場からは、
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京の
プログラムオフィサー、玉虫美香子さんを
お迎えしてお話をしていただきました。
玉虫さんはこれまで音楽をはじめとする芸術のさまざまな分野で
イベントの企画・運営に携わり、東京を中心に活躍してこられました。
最初に公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
組織についてお話をいただいた後、現在従事されている
伝統芸能事業について具体的な取り組みを紹介してくださいました。
また、10月に開催された「伝統芸能パースペクティヴ」という
日本文化の核心に迫るシリーズ企画の記録をみせていただき、
日本の芸能が拠って立つ「語りもの」の伝統を通して
その特質や核心を探るという大変興味深い事業をご紹介してくださいました。

学生にとって伝統芸能を鑑賞する機会はこれまで少なかったようですが、
いい刺激になったと思います。
ありがとうございました。

2014年12月10日水曜日

絵画ゼミ生が県展で奨励賞

第65回記念 群馬県美術展に出品した、絵画ゼミ3年の東峰子さんが、洋画部門で奨励賞をいただきました。30号の水彩による作品です。



場所:群馬県立近代美術館
日時:11月15日(土)〜24日(月)

主催/群馬県美術会、第38回県民芸術祭運営委員会、群馬県、 群馬県立近代美術館、公益財団法人群馬県教育文化事業団
後援/群馬県教育委員会、高崎市、高崎市教育委員会、一般財団法人群馬県教育振興会、 公益社団法人企業メセナ群馬、上毛新聞社、朝日新聞前橋総局、毎日新聞社・読売新聞社・ 産経新聞社・東京新聞・共同通信社・時事通信社 各前橋支局、 NHK前橋放送局、群馬テレビ、エフエム群馬(順不同)

2014年12月4日木曜日

第27回 群馬学連続シンポジウム「温泉県ぐんまの文化・文学Part1

第27回 群馬学連続シンポジウム「温泉県ぐんまの文化・文学Part1が
11月29日に開催されました。
 
基調講演1山本 修(渋川市立徳冨盧花記念館元館長)
基調講演2塩川香峰子(公益財団法人 竹久夢二伊香保記念館常務理事兼事務局長)

大森隆博(一般社団法人 渋川伊香保温泉観光協会会長)
北川和秀(群馬県立女子大学文学部国文学科教授)
権田和士(群馬県立女子大学文学部国文学科教授)
山崎真一(群馬県立女子大学文学部美学美術史学科准教授)
司会 熊倉浩靖(群馬県立女子大学教授 群馬学センター副センター長)

本学科山崎先生が以下のような内容を発表しました。
伊香保になぜ惹かれるのか
伊香保アートプロジェクトの紹介

◯てぬぐいアート展
◯大正浪漫フェスティバル
◯床の間アート展
 
毎回シンポジウムのポスターは本学科の高橋先生がデザインしています


 
 

ご登壇者の方々
 
 
石段街に展示されたのぼり
 
大正浪漫フェスティバルでのワークショップ
 

2014年12月2日火曜日

西洋美術史実地研修2

第3回(11月29日)の研修先は、上野公園にある二つの美術館。
午前中は「ウフィツィ美術館展―黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで」(東京都美術館)へ。

事前課題の発表風景。
 花の都フィレンツェ(イタリア)のウフィツィ美術館と名門メディチ家について、またルネサンス時代を彩った画家たちボッティチェリやブロンヅィーノについて発表しました。
 ウフィツィ美術館を訪れると、有名な作品ばかりが「これでもか!」と次からつぎへと姿を見せるので、それだけで圧倒されてしまいますが、今回の展覧会では、傑作をじっくりと眺めて来られた気がします。
 もしかしたら、本学の海外実地研修などでウフィツィ美術館に行った人もいたかもしれませんね。これからの人もいるでしょう。いろんな「再会」を楽しんでください。
美術館を出たら、雨模様。外は寒いし、お昼はどうしよう…。
噴水広場では、ザーザー降りの中で錦鯉の品評会が行われて
いました。魚たちの美しさと巨大さに思わず見とれてしまいました。
午前中のうちに撮影した国立西洋美術館前。まだ曇天でした。
午後は「フェルディナント・ホドラー展」(国立西洋美術館)へ。
事前課題の発表風景。
スイスの画家ホドラー(1853-1918年)について学びます。

ここの常設展も見逃すわけにはいきません。建物の設計者でやはりスイス出身の建築家ル・コルビュジエや、松方コレクションについての予備知識もOKです。

東京国立博物館では「国宝展」も開催中でした。行った人もいるのかな?
大盛況でしたねえ。

今回は、時代も地域も異なる展覧会でしたが、どの作品が一番印象に残ったでしょうか。
実地研修は、いよいよあと残り1回となりました。どうぞ皆が元気で集まれますように。

2014年11月19日水曜日

芸術の現場から:藤岡洋先生(東京大学 東洋文化研究所)

「芸術の現場から」第4回(11月12日)は、「芸術の運営」の分野で、藤岡洋先生(東京大学 東洋文化研究所)においで頂きました。

美術作品などの画像データベースをどのように作成し、発信し、管理していくのかについてのお話です。いつもとは違う視点から「芸術」に触れる機会でした。

紀元後79年に火山噴火で埋没した古代ローマ都市ポンペイ(イタリア)の遺跡データベースを見せてくださり、皆で携帯からアクセスするという実験もしてみました。

データベースをいかに「デザイン」していくのか。

「つかう人」が「つくる人」にもなる時代のコンテンツ。
芸術の分野を越えて、情報化社会の根本的なテーマにも及ぶお話でした。



芸術の現場から:金井竹徳さん(沼須人形芝居あけぼの座)

様々な分野から芸術の現場に携わる方々をお招きし、お話を伺う授業が「芸術の現場から」です。 10月8日の第2回は「舞台芸術」で、群馬県沼田市に江戸末期から伝わる伝統芸能「沼須人形芝居あけぼの座」とその座長、金井竹徳さんにおいで頂きました。
講堂の舞台上に設営している様子
人形芝居が小屋ごと大学にやって来て上演して頂けるということで、贅沢な授業になりました。
みるみるうちに舞台が組み立てられ、『傾城阿波の鳴門』の一場面が披露されました。
太夫さんの情緒豊かな語りと三味線に合わせて動く人形の所作に、思わず見入ってしまいます。
金井さんによる解説。三人がかりで人形を動かす文楽とは異なり、沼須の人形芝居は珍しい一人遣いです。練習はしやすいですが、操作自体は複雑でなかなか難しそうです。

最後は、何人かの学生が実際に体験してみることになりました。人形を手に付けて演技をしてみます。
『三番叟』です
戸惑いながらの体験でしたが、初めての人が動かしても、自然と人形が表情を示しているように見えるのがとても不思議でした。

伝統芸能に直接ふれる、貴重な機会となりました。

参考(沼田市ホームページより)

2014年11月18日火曜日

富岡市産業祭に出展しました

11月16日、快晴の中富岡市産業祭がもみじ平公園にて行われました。
アートマネジメントゼミは富岡産シルクでミサンガを作るワークショップを
行い、またこれまで発行した「ぐるり富岡まるごと通信」を配布しました。

当日は子どもから大人の方まで、多くの方にご参加いただき、
四色に染めたシルクでミサンガ作りを楽しんでいただきました。
また、当日は群馬県のイベントでゆるきゃらもたくさん集合していました。
この産業祭に関わったことも、地域のことを知るうえで重要な取り組みでした。

県女はっぴを着て準備をします

案内ボードを見て多くの方が参加してくれました

学生が丁寧に作り方を教えます。じっくり作る方、ある程度作って持ち帰る方など

fmぐんまの生放送を行っていました。ぐんまちゃんも楽しんでいました。

2014年11月17日月曜日

玉村豊男講演会が開催されました

11月15日、本学の講堂にて「玉村豊男講演会~玉村流の暮らし方ー食と旅」が
開催されました。
この催しには本学科の「芸術の現場へ3」受講生と
絵画、デザイン、アートマネジメントの3つのゼミがお手伝いをしました。

 
現在開催中の展覧会、実技棟ギャラリーにて、25日まで。
玉村町のボランティアさんと学生が当番をしています。

講堂でひらかれた講演会。多くの町の方や、ファンが駆けつけました。
 
玉村さんのお話は知的でユーモアに富み、あっという間に一時間が過ぎました。
 
そして、引き続き、今回は「玉村カレー王決定戦~ぼく、わたしが考えるカレーコンテスト」の
表彰式が行われました。
応募総数237通と、たくさんの小学生がアイデアを振り絞って
玉村カレーを考案してくれました。

実行委員長より賞状が渡されます。
 
ウクレレユニットの演奏もありました!

 

 
カレーコンテストの作品は講堂前の壁面にすべて展示されました。
 
ご来場誠にありがとうございました。
引き続き展覧会も
ぜひご高覧ください。
 
玉村さんを囲んで、みんなで記念撮影