2015年7月27日月曜日

夏休みわくわくワークショップを行いました

7月19日に富岡市立美術博物館にて
アートマネジメント演習1受講生24名による
「第三回 夏休みわくわくワークショップ」が開催されました。

昨年も大変多くの方にご来場いただきたので
今年も倍の材料を用意して、定員も増やしましたが、
今年はそれを上回ることになりました!
10時からの開始に合わせ、多くの方が並んでご参加いただき、
既にどのプログラムも午前中で定員に達しました。
午前だけで150名くらいのかたにいらしていただきました。

午後になると、少しゆったりペースで進められ、
来場者との会話を楽しんだり、保護者のかたとお話をしたりする姿も見られました。

どのプログラムも学生たちが一生懸命対応していました。
多くのかたに美術館で何か作る、楽しむという体験をしていただけたことは
とてもよかったと思います。
ご参加された方も楽しんでいただき、
大変充実したものとなりました。

また、このワークショップの記事を7月21日の上毛新聞に
掲載していただきました。ありがとうございました。


きらきらのスライム作りには開始直後から多くの方が!


パラシュートを作るワークショップ。ビニール袋だけで
こんなに楽しく遊べます。作った後、何回も飛ばしてみる姿が見られました。

 
魚釣りのプログラム。小さなお子さんでも参加できます。
色を塗ったり、簡単に楽しむことができました。
 



ボックスアートを作るプログラム。親子で楽しみながらいろいろな素材を
入れて作ります。


2015年7月17日金曜日

実技ゼミ制作展「この夏はもう二度と来ない」が開催されます

7月19日~8月2日に、本学実技棟ギャラリーにて
実技ゼミ制作展が開催されます。
ぜひご高覧ください。

詳しくはこちらを↓


2015年7月15日水曜日

19日、富岡市立美術博物館にて夏休みわくわくワークショップを行います!

かねてからお伝えしてきた「アートマネジメント演習1」の授業実践として、
19日に富岡市立美術博物館にて「第三回 夏休みわくわくワークショップ」を
開催します。

各班趣向を凝らしたプログラムが4つ開催されます。
ぜひ遊びに来てください。

詳しくは以下のチラシをご覧ください。
また、広報とみおかのページでも紹介されております。
 http://www.city.tomioka.lg.jp/www/contents/1435133088542/simple/2015_7_p24-25.pdf


2015年7月11日土曜日

西洋美術史実地研修1 最終回


27年度前期最後の西洋美術史実地研修1は、ご覧の通り梅雨の晴れ間に恵まれました。


午前中は国立新美術館にてベルギー出身のシュールレアリスム作家ルネ・マグリッドの展覧会。
快晴の空にはマグリッドが描いたような白い雲がぽっかりと浮かんでおります。


  美術館前の緑の中には、作品をあしらったポスターが顔を見せています。 
  


鑑賞前にいつものように事前レポートを元にした発表。
まずは「シュールレアリスム」と「ルネ・マグリッド」について。


また今回訪れる二つの博物館施設がいずれも常設コレクションを持たない施設となります。そこで博物館学実習の履修生には、「美術館とコレクション」というテーマの事前レポートを用意仕手貰いました。博物館法における博物館施設の定義を再確認しつつ、ドイツのKunsthalleのようなコレクションのない博物館施設の意義について考察を加えた発表が披露されました。


 マグリッド作品を模した入口から彼の世界に入りましょう。
 日本では13年振りに開かれる大回顧展ということで、合計約130点が展示されており、初期のまだシュールレアリスム的な作風になる前の未来派的な作品、ポスター作品などから始まって、第二次大戦を経たあとの模索から晩年作までをじっくりと辿れる展覧会でした。

 さて、午後は同じ六本木の森美術館へ移動。
ルイーズ・ブルジョワの蜘蛛のオブジェの下をくぐって、見に行きますのは、行列も出来て大人気の「Naruto」展? はたまた「スター・ウォーズ」展? 
 
 ではなく、こちらポンピドゥー・センター・メス(パリのポンピドゥー・センターの別館)で行われた展覧会を元にした現代美術の企画展。
 「シンプルなかたち:美はどこからくるのか」という表題通り、古今東西の作品約130点を、時空を越えたつながりをもって展示することで19世紀から20世紀に数学、機械工学、生物学、地質学や考古学の探求で再認識され、同時代の芸術家たちをも触発した「シンプルなかたちの美」の魅力を浮かび上がらせた展覧会。

 入館前には、ポスターにも使われているルーマニア出身の彫刻家コンスタンティン・ブランクーシの《空間の鳥》について事前学習。また、ドイツ・ルネサンスの巨匠アルブレヒト・デューラーの版画作品《メランコリアI》とそれにインスパイアされた彫刻作品が展示されているので、デューラー作品についても発表してもらいました。

 
オラファー・エリアソンのプリズムを使ったインスタレーション《丸い虹》。(会場内は一部、インスタレーションのみ撮影可能でした)
光、プリズムが光を受けて壁に作り出す虹、プリズムの影、それらの動きが刻々と変わり、長く見入っている人も多くいました。

 (エリアソンは群馬・伊香保温泉近くのハラ・ミュージアム・アークにも野外作品を展示しています)
元映写技師だったというアンソニー・マッコールによる《円錐を描く線》。スモークに当たる光が作り出す不思議な光景は別世界への入口のよう。

大巻伸嗣 《リミナル・エアー スペース―タイム》
窓の外の六本木の街並みとその上に広がる空をも取り込んだような作品。

これらの作品のように、光や空気、あるいは鳥の声、生命などなど、形にならないものの形をとらえようとする営みのなかで「シンプルなかたち」の美が追究されていったのではないかと思わせる興味深い展覧会でした。

2015年7月5日日曜日

第2回「カエルオールナイトピクニック in 群馬」が開催されました

7月3日夕方から4日朝にかけて、今年も芸術プログラム「芸術の現場へ3(コース1)」の企画「カエルオールナイトピクニック」(KAP)を開催しました。大学周辺に広がる水田に出かけ、カエルの声にみんなで耳をすましてみるというイベントです。発案者でジャワ舞踊家の佐久間新さんを講師として大阪からお招きし、約20名で一晩を過ごしました。企画リーダーは美学2年の本田さんです。
会場は大学そばにある現場3の新拠点「ひのたまり」。まずは自己紹介と、簡単な趣旨説明。
続いて、みんなで(なぜか)カレーを食べます。班ごとに手分けして家の台所で作り、持ち寄っています。

そして今年は、出発前に佐久間さんによるリズム感覚のワークショップがありました。各自が手拍子を打ち、異なるリズムを重ね合わせてみたり、佐久間さんの指揮に合わせてカエル風の鳴き声で合唱します。普通の「音楽」の授業とは違い、とても感覚的・身体的に音を体験するので、非常に盛り上がりました。
ウォーミングアップがすんだところで水田に出発します。時刻は21時過ぎ。
(新聞記者さんが撮影してくれています)
住宅街を抜けると一気にカエルの大合唱に包まれます。360度、カオスです。しかし耳を澄ませてみると一匹一匹の声の違いに気付くことができます。またいくつもの集団(あるいは地区)に分かれている感じもつかめてきます。
「ノイズは無視すると、かえって邪魔になる。耳をすますと、その魅力が分かる」(ジョン・ケージ『サイレンス』、柿沼訳、水声社、17頁)
聴くだけではなく、声を出してカエルとの異種間コミュニケーションを試みるのがKAP。うまく真似をすると、反応が返ってきます。何となく会話できているような、あるいは、一緒に合唱しているような状態になります。
しばらく各自で交信を試みた後、小雨が降って来たのでいったん拠点に戻り、感想を話し合いました。カエルとうまく絡めた人もいれば、交信をしていると思ったら別の誰か(人間)の声だった、という人も。
続いて佐久間さんのジャワ舞踊のデモンストレーション。佐久間さんが研鑽を積まれた中部ジャワのジョグジャカルタも、豊かな水田でカエルの大合唱が聴かれますが、ジャワのガムラン音楽はそうした自然環境からも影響を受けているのではないかとのことです。
男性舞踊の演目の一つ「クロノ」を素踊りで。体のあちこちが複雑に連動して同時に動き、時に力強く、時になめらかな踊りです。日本ではあまり見る機会のないジャワの典雅な舞踊に一同見入っていました。

さらに続いて、ペットボトルのワークショップ。
少し水を入れて、頭の上に乗せ、バランスを取りながら動きます。体軸や重心を微細に操作するので、自分の体に対する感覚を研ぎ澄ますことができます。
真夜中の怪しいワークの後、各自で少し休み、午前3時頃、再び水田に向かいます。
すでにカエルたちはかなり静かになっていました。ずっと梅雨空で気温が低いためかもしれません。鳴き声はポツリポツリとまばらな状態ですが、こちらから声をかけて場を盛り上げていくと一緒に鳴き始めるカエルもいます。
空が明るくなって来て、カエルはますます静かになり、入れ替わりにスズメやカラスの声が聞こえて来ます。
ちなみにサウンドスケープ論で有名なマリー・シェーファーも、「夜明けと日暮れ時、アオガエルと鳥の鳴き声が互いを補うようにして交差して現れるとき」の美しさについて書いています(R.マリー・シェーファー『世界の調律』、鳥越他訳、平凡社ライブラリー、461-2頁)。
締め括りは(なぜか)恒例のインドネシア体操。
今年も濃密な一晩となりました。「自然」と「文化」の間をつなぐのが「体」である、ということを改めて実感させてもらったように思います。
(昨年度のレポートはこちら